出張買取を希望する利用者の中で、「着物は買取価格が安くなりがち」という声を見かけます。はたして、本当に着物の価格は安くなってしまうものなのでしょうか。今回は、着物の買取価格が安くなる理由に加え、少しでも価格をアップさせるポイントをご紹介します。

この記事を読むための時間：3分

着物の買取価格にガッカリしている人は多い

もともとの金額が高い着物は、買取へ出す際にも高値で売れるイメージがあります。しかし実際は買取に出した半数近くの人が、思っていた金額よりも安くなったというケースが多いのです。

着物の買取価格が安くなる理由

では、なぜ着物は予想よりも買取価格が安くなるケースが多いのでしょうか。ここでは、買取価格が下がってしまう主な理由をご紹介します。

需要の低下

理由として多いのが、着物自体の需要低下です。最近では、着物はレンタルで済ませている層が増えています。価格相場を決定するのは需要と供給のバランスのため、実際に購入する人が減れば着物の買取価格も下がってしまうのです。

使用素材の価値が低い

着物の価値は、使用している素材によっても上下します。正絹など、高価な素材の着物は比較的高額での買取が可能です。しかし、ポリエステル・ウールなど化学繊維の着物は二束三文になってしまうでしょう。自分で買ったものでなく、証明書などが無い場合は安い素材で作られており、買取価格が安かったというケースがあります。

着物の状態が悪い

着物は正しい保管方法で管理しないと、劣化してしまいます。とくにシミ・カビ・汚れが付着しているケースが多く、これが見つかれば価値は大きく下がってしまうのです。着物は柄の関係もあり、査定まで汚れに気付かなかったという人も多くなっています。

サイズが小さい

例えば、ご両親や祖父母から受け継いできた着物を売ろうとした場合、サイズが小さくて査定額が下がる可能性があります。これは日本人の平均身長が年々伸び続けているためであり、50年程前と比べると男女ともに5cm以上伸びているといわれています。そのため、昔の着物だと現代人でサイズが合う人が減り、その分価値が落ちてしまうのです。

着物に特化した鑑定士が少ない

買取り業者の中には、着物の知識が豊富な鑑定士がいない場合があります。生地の良し悪し・手間暇の掛かり具合・生産数・産地・こだわりなど知識がなければ、着物のしっかりとした査定は困難です。そのため、妥当な査定額が提示されないといったケースがあります。

着物の買取価格を高くする方法

着物は、希望買取価格より安くなりがちです。しかしちょっとした工夫で、買取価格を上げることも可能に。ここでは、買取価格を高くするためのポイントをご紹介します。

需要の高い時期に売る

着物には1年を通して需要の高まる時期があり、そのタイミングを狙って買取してもらうことで査定額が上がる場合があります。需要期の例としては以下の通りです。

• 成人式がある1月
• 入学・卒業式がある3月
• 結婚式が多くなる6月

需要期の大体2か月前から、着物は売れやすくなります。つまり毎年11月～翌年4月頃を目安に売るのがおすすめです。

証紙や証明書を探しておく

証紙や証明書は、着物の品質を見極める判断材料となります。とくに高級着物やブランドの着物には、必ず証紙や証明書が付いているので売る前に探しておきましょう。また、自分が着物を買った際にもこうした証明書はわかりやすい所に保存しておくことが大切です。

複数の業者の鑑定を受ける

鑑定の基準は、出張買取の業者によってそれぞれ異なります。少しでも高い買取を望むなら、まずは複数業者に鑑定を依頼しましょう。安全な業者であれば、それぞれ物凄く大きな差は出ないはずなので、大体3社ほどを目処に査定を依頼するのがおすすめです。

着物専門の買取業者を利用する

着物は、可能であれば着物専門の買取業者に査定をお願いしましょう。先の項でも紹介しましたが、買取業者によっては着物の鑑定に関する深い知識を持つスタッフがいない場合があります。納得のいく鑑定額を出してもらうには、やはり着物に関して豊富な知識を持つ専門業社にお願いするのが安心でしょう。

着物は買取価格が安くなりやすいもの

着物は思っていたよりも、買取価格が安くなりやすい商品です。もちろん予想より高く売れるケースもありますが、あまり多くはありません。しかし、需要期を狙ったり着物専門の買取り業者を探したりと、ちょっとした工夫で価格が上がる可能性があります。信頼できる業者を探し、納得のいく買取契約を結びましょう。